紛争の未然防止から解決まで幅広くサポートいたします。

ご相談のご予約

Column ―弁護士の眼―

Column ―弁護士の眼― 一覧 Column ―弁護士の眼― フィード

2024.09.19

最近の裁判例から

 働いていた期間中約9年もの間、上司から退職を示唆するような言動があったり、その意に反して頭髪に整髪料をつけて髪型を変えさせたりといった様々な事柄について、使用者側に職場環境配慮義務違反があるとして、裁判が起こされました。
 職場環境配慮義務というのは、労働契約法第5条に基づくもので、使用者は、労働契約上の付随義務として、労働者に対して働きやすい良好な職場環境を維持する義務を負うとされています。
 ですので、雇用する側としても、こうした義務があることを知った上で、労働者が働きやすい環境にあるかどうか、いじめやハラスメントがないかについて留意する必要があります。
 さてこの裁判は、労働者側の主張が約9年もの間にわたるものでしたので、時効が問題になったのと、違反行為を裏付けるものが、労働者が作成していた日記であったことから、その信用性が問題となりました。
 全部で65項目もの問題が指摘されていたのですが、時効については、すべて一体のものとして考えるべきとの主張は認められず、各エピソードごとに時効は追行すると考えるべきであること、日記の信用性については、個別に検討され、結果65項目のうち、3つが職場環境配慮義務違反があったと認められました。
 当事務所では、職場でのいじめやハラスメントの問題につても取り組んでおりますので、雇用者側の立場でも、また働く側の立場からでも扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。
              (八十島 保)

2024.09.05

最近の裁判例から

 平成9年に大学の事務職として雇用され以後事務職として勤務し、平成26年10月に異動となり、その半年後に課長補佐に昇進したところ、その3か月後に自殺したことから、遺族が労災保険法に基づき保険給付を求めたところ、
支給しない旨の処分を受けたため、その取り消しを求めて裁判となりました。
 問題となったのは、自殺の原因となった精神障害が業務によるものかどうかという事でした。
 この問題については、厚生労働省が「心理的負荷による精神障害の認定基準について」と題する行政通達を出していて、行政実務上はこの認定基準に従って判断されています。これは必ずしも裁判所の判断を法的に拘束するものではないとされていますが、一定の合理性を有するものとされ、裁判所の判断の参考とされていますので、まずこの基準を前提に検討する必要があります。
 この裁判でも、この基準を前提に詳細な検討がなされ、適応障害の発症前おおむね6か月に生じた各出来事の心理的負荷の強度はいずれも「弱」であり、適応障害の発症後に生じた各出来事についても、いずれも「特別な出来事」には当たらないとされ、本件処分が違法とは言えないと判断されました。
 当事務所は、メンタルの問題も含め労災が問題となるケースも取り扱っておりますので、是非ご相談下さい。
           (八十島 保)

2024.08.16

最近の裁判例から

 交通事故により後遺障害を負ってしまった方が再度事故により後遺障害を負ってしまうことがあります。
 そうした場合、損害賠償はどうなるかといいますと、政令に規定があって、既に後遺障害のある者が障害を受けたことによって「同一部位」について後遺障害の程度を加重した場合は、その賠償額から既にあった後遺障害の賠償額を差し引くとされています。
 そこでこの「同一部位」というのが問題になるわけです。
この裁判では、まず最初の事故により、両変形性膝関節症を負い(既存障害)、二度目の事故で、高次脳機能障害、右感音性難聴及び右股関節の機能障害(現存障害)を負いました。
 被告とされた保険会社は「同一部位」というのは「同一系列」の範囲内であるとし、本件事故による現存障害である頭部外傷後の症状は「神経系統の機能又は精神の障害」の系列と評価されるところ、既存障害の両変形性膝関節症も局部の神経系統の障害であり、「神経系統の機能又は精神の障害」の系統と評価されるから同一の部位であると主張しました。
 裁判所は、政令の趣旨は、保険会社が賠償金を支払う対象となる損害は、当該交通事故により生じた損害に係る損害に限られるから、当該交通事故と相当因果関係のない障害に係る損害分は控除することにあると解されるとし、そうなると「同一部位」の障害といえるか否かは、現存障害に係る損害を控除しないと、保険会社が当該交通事故と相当因果関係のない損害について賠償金を支払うことになるか否かで判断すべきであったとして、保険会社の主張を採用しませんでした。
 当事務所は、交通事故の相談にも対応しておりますので、是非ご相談下さい。
           (八十島 保)

What's New

ニュース一覧 一覧 ニュース一覧 フィード

2024.08.08

夏期休業のお知らせ

令和6年8月13日(火)・14日(水)は休業させていただきます。

2023.12.22

年末年始の休業について

本年の営業は12月28日(木)正午までとなります。
新年は令和6年1月9日(火)午前9時より営業いたします。

2023.08.09

夏期休業のお知らせ

令和5年8月14日(月)・8月15日(火)は休業させたいただきます。

八十島法律事務所
〒060-0042
札幌市中央区大通西10丁目

周辺地図

【地下鉄】
 東西線「西11丁目駅」下車
 3番出口直結 南大通ビル9階
【市電】
「中央区役所前駅」停留所より
 徒歩約2分
●近隣に有料駐車場有り

詳細はこちら>>