Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-04-16 Mon

谷川俊太郎 「二十億光年の孤獨」  (創元社)


谷川氏の長い詩人生活の出発点となった作品です。この詩集の初版は昭和27年6月20日で、私が持っているのは8月10日の再版です。詩集で再版というのは珍しいですし、しかも2ヵ月後に出ています。この詩集にある詩を書いていたころ、谷川氏は、今で言うところの引きこもりでした。父親が心配して、お前どうするんだと言ったところ、氏は2冊のノートを差し出します。父親は、これを三好達治に見せたところ、出版の運びとなりました。良かったですね。私も親として、子どもを信じてやりたいですね。
 この詩集のタイトルには孤独とありますが、必ずしも暗くはありません。むしろ軽さを感じます。
 この詩集は、集英社文庫からも出ていますが、文庫版には、その2冊のノートの写真と、そのころについての氏の文章も収録されています。その中から
「詩人は、詩を書きながら、常に詩を超えたものに渇いているのだ。むしろ、その渇きの故にこそ、詩人は詩を書くのかもしれぬ。」

2012-04-16 Mon 18:57 | 古本

2012-04-16 Mon

柳宗悦 「蒐集物語」  (中公文庫)


これは、稀に見る幸せな人が書いた本といえましょう。何かを集めることが好きな人にとっては、共感できる点が多いと思います。
 著者は、物の価値を自ら作り出した人でした。ですので、当然入手時には、世間的には評価されないガラクタということでしたので、とても安く手に入れています。また、見つけたときには、断念しても、何年もしてから入手したりしていて、それを実にうれしそうに書いています。
 印象深い言葉として、「もし蒐集が私欲に終われば、持ち方は暗くなり、穢くなり、したがって生活は陰性になる。」、「見る力は金では購えない。金さえあればよい蒐集ができると思うのは愚かである。」などです。特に、金に飽かして蒐集している人を口を極めて罵倒しているところが面白かったですね。

2012-04-16 Mon 18:35 | 古本

2012-04-16 Mon

岡崎武志 「ご家庭にあった本」 (筑摩書房)


古本屋巡りのつれづれに、初発の衝動で買った本を、仕事の合間にパラパラとめくり、時代の空気を感じる、そして参考になる別の本を読みながら、その本が背負った時代性を探り当てるという「勉強」の結果が、この本ということになります。
 これは1冊の本から、それに関連する話題を取り上げ、「昭和」という時代の手触りのようなものを示すという、なかなか簡単には書けない本なのでした。
 欲を言えば、すべての本の書影を出して欲しかったと思いました。

2012-04-16 Mon 18:16 | 新刊本

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