Renkei日記 - 八十島法律事務所

2014-06-19 Thu

山口哲夫詩集 (小沢書店)  1988年6月20日


 山口は、昭和21年8月に新潟県で生まれ、昭和63年5月に41歳で亡くなっています。
 この人の詩は、おそろしく前衛的で、何を歌っているのかさっぱりわかりません。
 強いて言えば、戦前のダダイズム+前近代の土着性+加藤郁乎といったところでしょうか。
       「東風」から
    五月の
    七日間は
    なんとケルアックな路上だろう
 と、こんな調子が続きます。 

2014-06-19 Thu 19:30 | 古本

2014-06-19 Thu

鈴木カツ 「ディランズ・ビート」 (シンコーミュージック) 1997年7月4日


 ボブディランは、もうギターは弾けなくなっていましたが、今年北海道でもすばらしいパフォーマンスを見せてくれました。
 この本は、ラジオたんぱで94年の1月から10月まで流れていた「ボブ・ディラン・クラブ」という20分間のラジオ番組を紙上再現したものです。
 鈴木カツが司会で、毎回ゲストを呼んで、「ディランがロック」、「ディランがフォーク」、「ディランのルーツ」、「カヴァーされたディランの名曲」」というコーナーに分け、合間に貴重な録音(どこから入手できたのか不明なものも混じっています)をかけ、マニアックな話をするというものです。
 ディレクターの病気により、放送は中止されたようですが、もっと続けて欲しかったですね。

2014-06-19 Thu 19:30 | 古本

2014-06-19 Thu

金時鐘 「猪飼野詩集」 (岩波現代文庫) 2013年12月17日刊


 猪飼野とは、大阪市の一画にあり、1973年2月1日を期して地名としては消失したのですが、在日朝鮮人の方が多く住み、彼らの代名詞のような町でした。
 著者は、在日民族団体の活動家でした。朝鮮戦争時猪飼野の工場では、殺傷兵器の部品を作っていました。それは、生活のために、同族を殺す側に同族が加わることを意味していました。彼は、その仕事をやめさせる活動をしていたのですが、それは、なけなしの食い扶持を潰す側にいたということになります。
 著者は、「理念と現実との間で、私の青春は細りにほそった」と書いています。
       「見えない町」から
      なくても  ある町。
      そのままのままで
      なくなっている町
      電車はなるたけ 遠くを走り
      火葬場だけは  すぐそこに
      しつらえてある町。
      みんなが知っていて
      地図になく
      地図にないから 
      日本でなく
      日本でないから 
      消えててもよく 
      どうでもいいから
      気ままなものよ

2014-06-19 Thu 19:15 | 新刊本

2014-06-19 Thu

清水昶「暗視の中を疾走する朝」(築地文庫) 2014年5月30日刊


 オリジナルは、1965年に限定30部で発行されています。この復刻版は、原本の版下原稿そのものを使って印刷されているので、限りなく原本そのものに近い感触に仕上がっているとのことです。
 この詩集は、清水の最初期のころのもので、もし清水が生きていて、これを見たら、どう思うでしょうか。
       「ぼくのノオト」より
     だから、ぼくはセンチメンタルな革命家になって
     感性を破裂させ 燃え滅びたいのだ
 ああ、恥ずかしいと言うような気がしますね。でもここから詩人は出発したのでした。 

2014-06-19 Thu 19:00 | 新刊本

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