Renkei日記 - 八十島法律事務所

2014-07-01 Tue

天野忠 「春の帽子」 (編集工房ノア) 1993年2月20日刊


 これも随筆集ですが、友人の富士正晴について書いたものの最後に、「無言」というタイトルの短い詩を掲げています。
    お前がころっと逝ってしもうて
    秋風が吹いてきたいうのに
    まだ
    うちの貧相な藪蚊が刺しよる。
    じゅつないこっちや。
    な、
    富士よ。
 この本を出した当時、天野は、83歳でした。

2014-07-01 Tue 17:50 | 古本

2014-07-01 Tue

天野忠 「木漏れ日拾い」 (編集工房ノア) 1988年7月15日刊


 詩人天野の随筆集です。天野の随筆は老いをテーマにしたものが多いのですが、これなどもそうです。
 知人の葬式で、四十何年ぶりで、昔のアイドルに会ったことについて、「ときどき私は、この四十何年ぶりの出会いを目の前に浮かべる。けれども私の前に現れるのは、(略)そのへんの景色まで、いっときにパッと明るくなるような、痛いまでの青春の輝きに溢れた美しいNさんというアイドルである。死者の顔がときとして、はっきり心の中心に生きかえるように、長い重たい時間の複雑な網の目を、一瞬のうちにくぐり抜けて、目の前に出現する『死んだ記憶』もある。
どちらを真実と見るかは、私に残されたせめてもの自由である。」

2014-07-01 Tue 17:45 | 古本

2014-07-01 Tue

天野忠詩集「その他大勢の通行人」(永井出版企画) 1976年4月15日刊


 天野が67歳のときの詩集です。
        「唄」から
     老人にはなるな
     老人になるまでに死ね
     あとで
     うっとりするほど
     それが倖せだったと
     見事な倖せだったと判る

2014-07-01 Tue 17:28 | 古本

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