Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-08-20 Mon

川崎彰彦「ぼくの早稲田時代」 (右文書院) 2005年12月26日刊


 これは、大阪の文芸雑誌、「海浪」に1992年から2004年まで連載されていたものです。著者は、あとがきで、「私は書き留めておきたかった。1950年代という多難な時代の空気を。そんな時代を喘ぎながら、あるいは世の中を馬鹿笑いに笑い飛ばしながら生き抜こうとした青年、学生たちのことを。」と書いています。
 50年代の学生の姿が活写されていますが、我々の学生時代と決定的に違うのは、貧しさでしょうか。「みんな栄養不良の精気のない顔をしていた、ギトギトしたものが喰いてえなと言うのがみんなの合言葉だった。」と書いています。しかしそれ以外を除いては、戦後反動期といわれたこの時代と、自分が学生時代を送った時代と、驚くほどそんなに変わらないというのが感想です。それは、この作品が、あえて政治問題については触れず、学生生活を中心に書いたからでしょう。

2012-08-20 Mon 18:37 | 新刊本

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