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2012-11-14 Wed
吉行淳之介「エッセイコレクション3」(ちくま文庫) 2004年4月7日刊
編者は荻原魚雷で、出典を見ますと、全集に収められていないものからも拾っていることが分かります。この第3巻は、「作家」と題されていて、書くこと、読むこと、作家として暮らしていくことなどについてつづったものを収めています。
解説は荒川洋治で、吉行の文章について、「軽快だが、だいじなところに、やはり、ふれる。さらにふれているのに、ふれていることが目立たない。そこが涼しい。気持ちのいい文章だと、ぼくは思う。」と書いています。
しかしなかには、オヤッと思うほど熱い文章もあります。例えば、「敗戦を軍国主義と画一主義の崩壊とみなして、自分たちの敵が負けたという錯覚を持った人が多かった。私もその一人である。」、「戦争で死んだ人達は、強制的に犬死させられたのである。後に残った人々がそう認識することが、彼らに対する『慰霊』なのである。」などがそうでしょう。
2012-11-14 Wed 18:44 | 古本
<児玉隆也「一銭五厘たちの横丁」(岩波現代文庫) 2000年4月14日刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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