Renkei日記 - 八十島法律事務所

2013-05-03 Fri

黒田三郎詩集(書肆ユリイカ)  1958年6月1日刊


 黒田の、「ひとりの女に」、「失はれた墓碑銘」、「渇いた心」、「小さなユリと」、「時代の囚人」と言った詩集から編まれたものです。
 木原孝一が、冒頭で「黒田三郎論」を書いています。「失はれた墓碑銘」について、ここに収められている詩が、1938年から42年までに書かれたものであることに言及したあとで、この時代は、モダニズムによる偽装か、リリシズムへの逃避か、この二つの道しか考えられなかった時代であったとし、この時代に書かれた詩を中心として世に問うなどと言うことは、黒田しか考えられないといっています。また、「時代の囚人」については、戦前の多くの詩が持っていた、観念の犠牲としての詩と、いわゆる文学的解決としての詩を、はっきりと拒否して書かれたものとして、私にとっては貴重な価値を持っていると書いています。つまり時々の時流から外れたところに位置していたということなのでしょうが、特に難解ではなく、テクニックが凄いというわけでもないと思います。実際、かつてフォーク歌手が、彼の詩をよく取り上げていましたし。
            「死のなかに」から
 ぼくのお袋である元大佐夫人は
 故郷で
 栄養失調で死にかかってゐて
 死をなだめすかすためには
 僕の二九二〇円では
 どうにも足りぬのである
 死 死 死
 死は金のかかる出来事である

2013-05-03 Fri 18:56 | 古本

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