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2013-10-10 Thu
河野仁昭 「天野忠さんの歩み」(編集工房ノア) 2010年3月8日刊
生前天野と親交のあった著者による、詩人天野忠の戦前の活動から死に至るまでについて書かれた本です。
天野は、昭和10年5月に仲間たちと同人誌「リアル」を発刊しますが、昭和12年8月に「リアル」の仲間が治安維持法違反で検挙されます。そして「リアル」は解散を命じられ、以後天野は、戦争が終わるまで、一切沈黙を守ります。敗戦の年、天野は36歳になっていました。このことが、彼の精神にどのような影響を与えたのかについては、はかり知ることができません。
戦後彼は出版社に勤め、上林暁の本を出したりしていますが、そこをやめ、一時古本屋をやっています。所詮素人でしたので、すぐにやめ、昭和26年5月から定年を迎える昭和47年まで、大学付属図書館に勤務します。
昭和24年5月にコルボウ詩話会を発足し、これは昭和35年10月まで続きます。
天野は、早くから、「わしは年寄りやさかい」といっていたにもかかわらず、老いを感じさせられたことはなかった、60歳から70歳代が詩人のピークだったと著者は書いています。
天野は平成5年10月28日84歳で亡くなりました。
2013-10-10 Thu 19:49 | 古本
<河野仁昭「詩のある日々〜京都」(京都新聞社) 1988年11月5日刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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