Renkei日記 - 八十島法律事務所

2011-11-26 Sat

長谷川郁夫 「本の背表紙」  (河出書房新社)


 長谷川氏は、今はなき小沢書店の創立者で、小沢書店の本は、今も人気があります。その長谷川氏が、地方紙に連載されていたものをまとめたものです。
 「失われた記憶、時の巡りのなかに置き去りにされた言葉を発掘する、あるいはたんに私一個の想念の中で薄れていく言葉を思い起こす、そんな試みであり、生前に肉声を聞くことのできた作家や詩人の著作に見出したい」という思いで書かれた本です。
 中で印象深かったのは、田村隆一について、「何ヶ月もの間、肉体の限界まで飲み続けては、2,3週間入院して、点滴暮らしとなるのだった。見舞いに行くと、ドライ状態の詩人は、人間嫌いの別人になっていた。」という一節です。 

2011-11-26 Sat 09:00 | 古本

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