Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-01-27 Fri

坪内祐三 「後ろ向きで前へ進む」  (晶文社)


 1979年当時21歳だった坪内氏は、時代が大きく変わり、新しい時代に突入しつつあることを体感していました。そのころから、歴史は止まって行こうとするように思えた一方で、時代がどんどん便利になっていき、経験の一回性が失われつつあり、この時代のことを語るのは手に負えない感じがしていて、その思いは、20年たっても変わっていないことから、この本は、未完成な本であり、「幻の1979年論」であるといっています。
 さてどういう切り口で述べているかというと、例えば、79年に亡くなった植草甚一氏と、同年に蓮實重彦氏が出した「表層批評宣言」を対比して、メッセージ性が求められた時代から、一種の「制度壊し」へと時代が変化したとし、その結果何が残ったかついては、非常に難しい微妙なものがあるとしています。
 また�禿鍔饌犬塙焼�淳を取り上げ、70年代の終わりから80年代の初めにかけて、仲間内の和をみだす危険分子に対する村八分―暗黙のチェック機能がジャーナリズムの中で働き始めたと分析しています。
 確かに、現在に続く閉塞感、例えば、お金があっても幸せに感じないといった気分は、70年代の終わりころから始まったような気がします。  

2012-01-27 Fri 19:55 | 古本

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