Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-05-29 Tue

杉山平一 「巡航船」 (編集工房ノア) 2009年11月2日刊


 この本は、昭和27年9月10日に審美社から出された「ミラボー橋」に、それ以降に書かれたものをまとめて1冊としたものです。杉山氏は、「詩がどうあるべきかを考えるにつれ、私は詩を作るために自らをひどくゆがめなければならないのに次第にくるしくなってきた。そして自分がもっとも素直に自分であるために、これら数々の散文を試みてみた。」と書いています。
     「隠す」という文章から
 生きるというのは、隠すということである。言葉は、隠すためにある。言葉は衣服である。しゃべったり、書いたりするのは、自分がいかに立派であるかを見せるためである。書くことは自分を隠す喜びである。嘘は表現のはじまりである。隠すべきなにものもなくなったとき、僕はどうしようかと思う。

2012-05-29 Tue 18:03 | 新刊本

2012-05-29 Tue

杉山平一 「夜學生」 (竹林館) 平成19年12月1日刊


 杉山平一氏も、去る5月19日にお亡くなりになりました。この詩集は、昭和18年に出されたもので、平成19年に判型を小さくして復刻されたものです。
     「町にて」から
  ジンタなんかより   花火なんかより
  日曜日の街に若い父母と一杯の子供達をつめて走っている
  自動車の中や
  暗い街を轟々と人々をつめて走って来る
  明るい市内電車の中の方が
  もっとずっと賑やかで
  もっとずっと物悲しい 
 ご冥福をお祈りします。

2012-05-29 Tue 17:59 | 新刊本

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