Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-07-19 Thu

荒川洋治 「詩とことば」 (岩波書店) 2004年12月16日刊


こちらが元本です。編集委員の加藤典洋は、「いま、この時代に、ことばを生きるということがどのような経験であるのかについて、5人の編集委員(荒川もその一人)が、ことばとの付き合いが教えてくれたことを書いてみたとあります。
 荒川は、「散文は、個人的なものをどこまでも擁護するわけにはいかないもので、その意味では冷たいものであるが、詩のことばは、個人の思いを、個人のことばで伝えることを応援し、支持する、それがどんなに分かりにくい言葉で表わされていても、詩は、それでいい、そのままでいいとその人にささやくのだ。」と書いています。
 また、「でも本当に詩は、読まれていいのだろうか。読まれてしまったらおしまいではないか。人に読まれないからこそ、詩は生きることができる。」とも書いています。

2012-07-19 Thu 17:39 | 新刊本

2012-07-19 Thu

荒川洋治 「詩とことば」 (岩波現代文庫) 2012年6月15日刊


元本は、岩波書店の「言葉のために」のシリーズの1冊として出ています。この文庫は、新たに書き下ろされたものが6編含まれています。その一つが、「詩の被災」と題されたもので、
 大きな災害のあとで、大量のたれながしの詩や歌が書かれて、文学「特需」ともいうべき事態が生じた。それが、受け取った人々からすれば、「そうか。詩は、この程度のものなのだ。」と感じさせることになった。だとしたら、これは「詩の被災」である。戦後に書かれた詩の「意識」に、ひとついいところがあったとしたら、だいじなことは書くが、書かないことについては書かないということだ。簡単には同調しない。機に乗じない。「詩の被災」について詩人たちが意識を持たないことは、戦後の詩の理念が崩壊したことの印である。
 と書いています。激烈ですね。

2012-07-19 Thu 17:37 | 新刊本

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