Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-12-12 Wed

小林信彦「四重奏カルテット」(幻戯書房)2012年8月28日刊


 「回想の」でやったことをすべて小説でやったのがこの本です。先の「回想の」に入れていた「半巨人の肖像」という作品をこの本にも入れています。
 小林は、59年に、乱歩の要請で、「ヒッチコックマガジン」の編集長に就任しましたが、この作品集は、その前後から、編集長を辞める62年ころまでの時代について書かれたものです。
 中でも「男たちの輪」という作品は、最初に構想したのが71年ころで、形にしたのが91年ということで、20年後のことでした。この作品について、小林は、「時代に遅れた二人の男が原っぱをさまようのを書きたかった。」と書いています。
 小林のいう時代とは、にせの重厚さ、荘重さを身に鎧ったある種の文化人、彼らに象徴される権威主義的な教養に反抗するのに「遊び」をもってすることができた時代であり、それがいつのまにか、「遊び」が一般に受け入れられてしまい、妙に物分りのよい評論家や文化人が増えてきたことに対する違和感のようなものを描いています。

2012-12-12 Wed 17:57 | 新刊本

2012-12-12 Wed

小林信彦「回想の江戸川乱歩」 (光文社文庫)2004年8月20日刊


元本は、乱歩生誕100年である1994年に発行されています。
 内容は、乱歩の下で働いた経験を持つ小林兄弟の対談、乱歩についてのエッセイ、そして乱歩の下で働いていたころのことを描いた小説で構成されています。
 小林は、乱歩に対する正当な評価およびイメージを持ってもらいたいとの想いで、この本を出しています。
 解説を書いている坪内祐三は、マニアックな分析とともに、この本が、20年以上の時をかけて見事に完結した作品となったと評しています。

2012-12-12 Wed 17:47 | 古本

2012-12-12 Wed

2012-12-12 Wed 15:59 | -

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