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2012-07-02 Mon
丸谷才一 「快楽としての読書(日本篇)」 (ちくま文庫) 2012年4月10日刊
本書は、1964年から2001年までに書かれた約600篇もの書評のうち123篇が収録されています。著者は、著名な作家ですが、書評について一家言持っています。いわく「書評は読書案内として役立つこと、そのためには信頼されなければならない。そして信頼されるというのは、書評の書き方の感じだと思ふ。」とあります。そして、戦後イギリスから雑誌が入るようになって、最も感銘を受けたのは、書評欄の充実ぶりであった、戦前の日本にも書評はあったが、紹介の面は具体性が乏しく、批評の面は構えが単純で、対象である本が迫ってこなかったといっています。そして、扇谷正造が1951年に週刊朝日の編集長になり、週刊図書館という書評欄を始めたのが、日本における本格的な書評の嚆矢であったと言っています。
この本は、著者のアイウエオ順となっていますが、できれば出版順にして欲しかったと思いました。
2012-07-02 Mon 18:33 | 新刊本
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