Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-08-27 Mon

豊��由美  「ガタスタ屋の矜持」 (本の雑誌社)2012年6月20日刊


 ガタスタとは、ガター&スタンプの略で、ヴァージニア・ウルフが書評家の仕事を腐して使った言葉で、以前取り上げた、この著者の「ニッポンの書評」にも書かれていました。
 ガターとは、本の内容を短く書き表すことで、スタンプとは、評価を下すということです。著者が書いているように、ガターには、読解力と技術が必要で、スタンプにはセンスと勇気が必要で、そのことを身をもって示したのが本書ということになります。
 この本では、多くの作品が紹介されており、その多くは高い評価を与えているのですが、中には、著者としては評価できないと考える作品もあり、そんな作品に対しては、「村上春樹は一人でいい。そっと野におけ春樹節、なんである。」、「エンタメ路線にありながら直木賞受賞作よりもレベルが低い代物じゃん。」、「で、大人げない私はそういう小説が売れに売れていることが不満で仕方ないのです。ごめんね意地悪ババアでさ。」などと書いています。
 著者は、誇りを持って、ガタスタ屋と名乗っています。

2012-08-27 Mon 18:13 | 新刊本

2012-08-27 Mon

武田泰淳 「目まいのする散歩」 (中公文庫) 昭和53年5月10日刊


 著者の生前最後の本です。奥さんである武田百合子氏の口述筆記により書かれたものです。印象深い記述をいくつか拾ってみます。
 「うすらバカ」、「うすらトンカチ」などという悪口は、悪口ではなくて、わけへだてなく、われわれ人類の上に与えられた神様の批評のように思われてくるのは、恍惚の人のよくない癖である。」
 三島さんの死は、ニヒリズムの結果ではなく、川端さんの死は、ニヒリズムの証明であったか、どうか。それをたしかめようとする気持ちは、私にはない。
 どこを散歩しても、どこのベンチに腰掛けても、病後の私は笑ったような、笑わないような顔つきをしている。女房は「笑ったような顔をしているけど、本当はそうじゃあなくて、ただ、そういう顔をしているのね。」と名言を吐いた。

2012-08-27 Mon 18:10 | 古本

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