2012-01-26 Thu
映画について書かれた本の書評集です。とても厚い本ですが、激辛の文章が面白く一気に読めました。
さて次の文章は誰について書かれたものでしょうか。
「タイトルからしてハッタリじみているが、中身もハッタリじみている。語り口が詐欺師に近い。中庸の徳というものを知らない。要するにわがままであり、我を通しているのだ。」
「確かにこの人は映画に対して強い愛情を持っている。しかし致命的なことに、映画的教養が貧しいのではないか。」
「同時代的に映画と伴奏していないと直感的に思った。」
「映画を守り損ねている。裸の王様。」
「見る気がしない映画は愚作だなんていうやつは相手にしなくていい。」
知りたい人は、この本を捜して読んでください。
2012-01-26 Thu 18:58 | 古本
2012-01-26 Thu
著者は、古書店を経営していて、これまで古書や古本屋という商売に関する本を何冊も書いています。
この本は、昭和62年にたまたま市場で仕入れたものの中に、日記があり(こんなものも出回るのです)、ドン・ザッキーという名の詩人を知り、それが、同業者ではないかと考え調査をし、彼を知っている人や本人さらにはその子どもにも会いに行くという話です。
この本の解説を書いている内堀弘さんがいうように、ドン・ザッキーらが活躍した1920年代のダダイストやアヴァンギャルドたちの多くは、行方不明のままです。時代の先端へ駆け上がろうとした彼らの姿は次第に明らかになってきていますが、そこからどこへ帰っていったのか、その道筋を記録したものはなく、この本はそうした姿を初めて映し出したものです。
この本と一緒に出している書影は、大正14年5月5日にドン社から発行されたドン・ザッキー詩集「白痴の夢」です。ドン・ザッキーの長男が経営する印刷会社が発行した復刻版で、造本・装幀ともに原型のとおりとのことです。
2012-01-26 Thu 18:50 | 新刊本
2012-01-23 Mon
自虐を裏返しにした虚構は、大いに当たった。嘘をついて金が儲かる。いい商売である。深夜、空虚感におそわれるぐらいなんだ!
滅ぶことを知らぬ者が、天下を取るから、その行動は、とどのつまり、すべてを破壊してしまうのである。
ダンディズムとは、他人に似ることを厳しく警戒する独創性の追及によって、真価を発揮する。
ロマンチシストは、絶対に家庭に縛られてはならぬ、ということが明瞭である。「家」に縛られた人間が、我々を瞠目せしめるような大きな仕事をしたためしは、ないのである。
かって、文士という言葉がありました。柴錬は、文士という言葉が良く似合うと思います。その彼が、佐藤春夫の弟子であったとは知りませんでした。
1917(大正6)年に生まれ、1978(昭和53)年に亡くなっています。
2012-01-23 Mon 18:46 | 古本
2012-01-23 Mon
元本は、1972年に出版され、その後1992年に文庫化され、さらに未収録原稿を追加して出されたのがこの本です。1968年から1972年にかけて主に音楽雑誌に書かれたものがまとめられています。
今回の復刊に際し、早川氏は、「読み返してみると、今、自分が思っていることと、ほとんど変わっていないことに気がつく。」と書いています。実感なのでしょう。
また彼は、こうも書いています。「『友よ』という歌に代表されるように、みんなで合唱すること、みんなが同じ思想を持って行動を起こすことに、当時から僕は肌寒さを感じていた。全員が一人の女性を愛することがないように、全員が同じ思想を持つことは、嘘なのである。」
早川氏は、ジャックス解散後、本屋さんを始め、近年は再び音楽活動をしていますが、音源が入手し辛いですね。困ったものです。
2012-01-23 Mon 18:28 | 新刊本
2011-12-13 Tue
今年「絵のある岩波文庫」が話題となった坂崎氏が10年程前に出していた本です。
「人として生まれてきて、自らの生を楽しまず、人を愛さず、快楽に身をゆだねずに、生を終えてしまってよいものだろうか。」良くないのでしょうね。
隠居するか否かはともかく、自分にとって気持ちのいいものや事を見付けることはとても重要だと思っています。
2011-12-13 Tue 10:47 | 古本
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