2012-05-21 Mon
これは、加藤氏の残した作品の一つですが、前衛句集です。彼は、この本で、この作品は、「句であって、俳諧でも狂句でも一行詩でもない。意味なんてどうだっていいのである。位牌のごときもの、云わんとしている事柄が、有耶無耶のうちに立ち消えになりそうでゐながら、どうにか記憶されるといふ虫の知らせ的な恩寵で立ってゐる」と書いています。
その句とは、
ひなぎくくさりす金敷ものはキリエかな
あひるの家でなんまいだかを衍字まる
πするいつまで草の小墓な春
破門ずオルガンだーらの蛆拾遺よ
漏斗す用足すトマスアクィナスを丘す
姦字は忸怩る葉がくれなゐの股晴れ
私はすばらしいと思いますが。
2012-05-21 Mon 18:54 | 古本
2012-05-21 Mon
5月18日の朝刊に、16日、心不全で著者が亡くなったとの記事が出ていました。この本は、60年代から70年代にかけての、交遊録なのですが、その顔ぶれが、稲垣足穂や澁澤龍彦をはじめそうそうたる人達であり、しかもその内容たるや、まさに衝撃的なものです。
ご冥福をお祈りします。
2012-05-21 Mon 18:34 | 古本
2012-05-17 Thu
私がジャズを聴き始めたころ、この著者の出した「辛口!JAZZノート」は、とても楽しく読めました。それからあっという間に20年以上の年月が流れ、著者も70歳を超える年齢となっていました。
帯にもありますが、ジャズとオーディオ、哀愁と笑い、そして生きる活力を綴ったエッセイ集で、人間年を取っても悟りの境地にはなかなか至れないということをまざまざと教えてくれます。
2012-05-17 Thu 18:12 | 新刊本
2012-05-16 Wed
序で、「私は私の詩集に『野獸性なる人間的なる愛の詩集』と名づけたく思ふ程の、いはゆるデカダンを擯斥するものである。」、「一篇の詩は、われ自身の凾の中の音樂を聴くと共に、都會の雑音にまぢる高架鐡道の轟音を聞く。」とありますが、当時都会という概念ができたばかりだと思うのですが、とてもモダンですね。というわけで、この詩集は、左から右に、あるいは上から下にも書かれていますし、写真や版画も入っています。
2012-05-16 Wed 18:04 | 古本
2012-05-14 Mon
詩にうたわれた場所や、詩人ゆかりの地に行き、そこで写した写真と詩、及びこれにまつわる短文を見開きにまとめたものです。
伊藤は、「専門家ではないので、カメラの技倆も貧弱である」と書いていますが、モノクロ写真が、郷愁を掻き立てられ、詩の風情と実によく合っていると思いました。
2012-05-14 Mon 19:32 | 古本
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